或る赤い雪 雪が降っていた。 「ヒナタ」 名前を呼ばれた少女は、ゆっくりと振り向いた。 漆黒の髪に、普通では在りえない白い瞳。 その瞳よりも白いかもしれない、透けるような白い肌。 全てが幻想的だった。 「ナルト」 ヒナタと呼ばれた少女は自分の名を呼んだ少年の名を嬉しそうにつぶやいた。 そしてふわりと楽しそうに笑う。 「許せないのか?」 「うん。昔の栄光にしがみついてる日向も。 ハナビを狙った逆賊達も。 ・・・・それを殺した、私も。」 「オレは、許してほしいよ」 「ナルトは強いんだよ。 里の為に犠牲にされて、憎まれて恨まれて、罵られて。 それなのに許しちゃえるなんて。 四代目のことも許してるんでしょう?」 「じいちゃんに泣かれたからな」 「じい様も強いよ。 私の為に泣いてくれたのじい様が初めて。 許し、たいよ。私も。」 「でも許せない?」 「私は弱いからね。 許せたら、何か変わるのかなぁ?」 「いや。」 「何、ナルトってば。即答?」 「変えてくんだよ。自分で。」 「・・・・そうね」 笑い合って、二人はその場から姿を消した。 雪が降っていた。 それは、一面に咲いた赤い花を覆い隠すように深々と。 いつまでも、いつまでも降っていた。 ちょっとキノの旅風味でおおくりいたしました。 スレヒナだけど、ちょっと弱い感じです。 いくら忍としての力は強くても、まだ十代の女の子だから(笑) スレナル話のような気がしなくもないですね; ナルヒナ大好きなので。(←言い訳/笑) スレヒナ同盟様へ贈りつけさせていただきます。 如月零 akhroos
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